ミャンマー憲法を読んでみる~第3章~

第3章「国家元首」

第57条
 大統領及び副大統領は国家を代表する。

第58条
 大統領は、ミャンマー連邦全土に居住するミャンマー国民全員の頂点に位置する。

第59条
 大統領および副大統領の要件を以下のとおりとする。
 ⑴国家と国民に対して忠誠心を有する者でなければならない。
 ⑵本人及びその両親がミャンマーの主権が及ぶ領土内で出生した土着民族であるミャンマー国民でなければならない。
 ⑶選出されるべき人物は最低45歳以上でなければならない。
 ⑷国家事項である政治、行政、経済、軍事等に関する見識を有する人物でなければならない。
 ⑸大統領は、選出された時までに最低20年間継続して我が国に居住していた人物でなければならない。ただし、国家の許可の下で正式に外国に居住した期間は、我が国に居住したものとして計算する。
 ⑹本人、両親、配偶者、子供とその配偶者のいずれかが外国政府から恩恵を受けている者、もしくは外国政府の影響下にある者、もしくは外国国民であってはならず、また、外国国民、外国政府の影響下にある者と同等の権利や恩恵を享受することを認められた者であってはならない。
 ⑺国会選挙における被選挙権として定められた要件に加え、大統領として別途規定する要件を満たしていなければならない。

第60条 
 ⑴大統領は、大統領選出委員会によって選出されなければならない。
 ⑵大統領選出委員会を連邦議会議員による3つのグループから以下のとおり構成する。
  (イ)管区域・州よりそれぞれ同数の議員を選出して構成した議院における議員グループ
  (ロ)郡及び人口に基づき選出して構成された議院における議員グループ
  (ハ)上記2院における国軍司令官が指名した国軍出身議員グループ
 ⑶上記3グループよりそれぞれ副大統領1名を、議員又はそれ以外の者から選出しなければならない。
 ⑷連邦議会及び両院議長・副議長を含む組織は、副大統領が大統領としての要件を満たしているか否かを審査しなければならない。
 ⑸大統領候補である副大統領3名の中から、連邦議会議員すべてが含まれる大統領選出委員会が投票により大統領を選出しなければならない。
 ⑹大統領及び副大統領の選出に関する必要な法律が制定される。

第61条
 ⑴大統領および副大統領の任期は、5年である。
 ⑵大統領および副大統領は、5年の任期が終了した後も、新たな大統領および副大統領が選出されるまでの間、引き続きその任務を遂行しなければならない。
 ⑶大統領および副大統領は、2期を超えて任務を遂行することはできない。
 ⑷大統領および副大統領として臨時に任務を遂行している期間は、1期として規定されない。
 ⑸何らかの理由で大統領および副大統領に欠員が出来たため代理として選出された大統領および副大統領の任期は、元大統領および副大統領の任期の残りの任期とする。

第62条
 大統領および副大統領は、いかなる議会の議員であってもならない。

第63条
 議員又は国家公務員が大統領又は副大統領に選出された場合、同人は選出された日より、議員又は国家公務員の職責から辞任したもの、又は退職したものとみなされる。

第64条
 大統領又は副大統領が政党の党員であった場合、選出された日より在任期間の間、政党活動に参加してはならない。

第65条
 大統領又は副大統領は、以下のように宣誓を行う。「私は、ミャンマー連邦共和国及び国民に対して忠誠を誓い、いかなるときも連邦の分裂の阻止、国民の結束の崩壊の阻止及び国民主権の保全を尊重することを厳粛に、誠実に約束し、ここに宣言する。私は、憲法及び憲法の下の法律を支持し、順守する。私は、公正、自由及び平等の不変原則を発展させるために、私の最上の能力及び努力をもって真摯に職責を遂行する。私は、ミャンマー連邦共和国への奉仕のために自身を捧げる。」

第66条
 大統領及び副大統領は、憲法及び他の法律により規定される責任・権利を行使しなければならない他。

第67条
 大統領及び副大統領は、給与・経費・金銭を得ることができる他のいかなる役職にも就いてはならない。

第68条
 大統領及び副大統領は、自らが中心の経済主体となる家族の土地、家、建築物、事業、預金、その他貴重品をその価値とともにリスト化し、連邦議会議長に提出しなければならない。

第69条
 大統領及び副大統領はそれぞれ、法律の規定に基づいた給料、経費、備品及び適切な住居を1軒得ることが出来る。

第70条
 大統領及び副大統領は、任期終了により辞職した後、弾劾を受けて辞職した場合を除き、年金及び適切な補助を受けることが出来る。

第71条
 ⑴大統領および副大統領は、以下の事由に該当する場合、弾劾される。
  (イ)国家に対する反逆行為
  (ロ)憲法違反
  (ハ)不良行為
  (ニ)憲法に規定する大統領及び副大統領資格の欠如
  (ホ)法律に基づき与えられた責任の不履行
 ⑵大統領及び副大統領を弾劾する際には、連邦議会のいずれかの議院において総議員数の4分の1以上の署名を集め、その議院の議長に提出しなければならない。
 ⑶かかる弾劾に対して、当該議院の議員総数の最低3分の2の同意を得ることができれば、引き続き手続きを進めることができる。
 ⑷いずれかの議院において弾劾案に同意が得られた場合、もう一方の議院は、審査委員会を設立して審査しなければならない。
 ⑸大統領及び副大統領は、弾劾案の審査中、自らもしくは代理人を通じて問責を拒否する権利を有する。
 ⑹弾劾案の審査が終了した時、審査した議院もしくは審査させた議院の議員総数の最低3分の2の賛成を得、大統領もしくは副大統領が引き続き職務に就くことが不適切と決定し、大統領もしくは副大統領の辞職を要求する場合には、これを連邦議会議長に提示しなければならない。
 ⑺連邦議会議長は、この指示を受けた場合、直ちに弾劾を受けた大統領もしくは副大統領の辞職を宣言しなければならない。

第72条
 大統領及び副大統領は、任期終了前に自らの意思による辞職を希望する場合、辞職する権利を有する。

第73条
 ⑴大統領が任期終了前に辞職した場合であれ、死亡した場合であれ、また職務を継続的に遂行できなくなった場合であれ、何らかの理由により大統領職に空席が出来た場合には、2名の副大統領の内、大統領選挙の時に2番目に票の多かった者が大統領代行として任務を遂行しなければならない。
 ⑵連邦議会の会期中に大統領が空席となった場合、大統領代行は連邦議会議長に対し、7日以内に大統領の空席を埋めるよう迅速に報告しなければならない。
 ⑶連邦議会議長が大統領代行の報告を受けた際、大統領代行が副大統領として選出される母体となった議員グループより、副大統領1名を選ばなければならない。
 ⑷当該議員グループより副大統領1名を選んだ後、連邦議会の議員すべてが含まれる大統領選出委員会が3名の副大統領から好ましい人物を国家の大統領に選出する。
 ⑸連邦議会の会期中ではない時期に大統領が空席となった場合、連邦議会議長は、大統領代行の報告を受けた日より21日以内に連邦議会を召集し、空席となっている大統領を新たに選出すべく上記手続きのとおり措置をとらなければならない。
 ⑹副大統領が任期終了前に辞職した場合であれ、死亡した場合であれ、また職務を継続的に遂行できなくなった場合であれ、何らかの理由により副大統領職に空席が出来た場合には、連邦議会会期中であれば、当該副大統領を選出した母体となる議員グループが7日以内に新たな副大統領を選出できるよう、大統領が連邦議会議長に迅速に報告しなければならない。
 ⑺連邦議会の会期中ではない時期に副大統領が空席となった場合、連邦議会議長は大統領の報告を受けた日より21日以内に連邦議会を召集し、空席となっている副大統領を新たに選出すべく、規定のとおり措置をとらなければならない。

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