相続対策~その2~

 相続は死後に発生しますので、遺された者のことを考えて相続対策をする必要があります。
 その大前提となるのが、自分自身が亡くなった場合にどのような遺産があるのかということをキチンと把握しておくことです。

 不動産を所有している場合、現在居住している不動産だけなのか、それ以外にもあるのか。
 預貯金については、どこの銀行にどういう口座を有していて、どれくらいの残高があるのか。
 有価証券、たとえば株式を所有している場合、上場株式なのかあるいは自分自身が経営している会社の株式なのか。どこの証券会社なのか、株式譲渡する際の手続きはどうなっているのか。
 その他にも、いわゆるタンス預金があったり、高価な時計や車を所有しているかもしれません。

 遺された相続人らは、遺産のすべてを把握しているとは限りません。被相続人が亡くなってしまうと、その遺産の所在を被相続人から聞き出すことは不可能となります。
 そのため、被相続人が遺産をキチンと把握し、相続人らにその情報を伝えておくことで、相続人らはスムーズに相続の手続きを行うことができるとともに、相続税がかかるのかどうか、かかる場合どれくらいの金額となるのか、さらに遺産で税金を支払うことができるのかどうかを一応判断することができます。

 たとえば、相続税がかかるという前提で、遺産が不動産のみで流動資産がほとんど無い場合を考えてみましょう。
 相続人らに手持ちの現金・預貯金がない場合、遺産である不動産を物納して税金を納めることもできますが、そうでなければ不動産を売却し、税金を納める必要があります。
 その不動産が首都圏など都市部に所在する物件であれば、売り主も見つかりやすいですが、過疎化が進んでいる地方都市ではなかなか売り主も見つからないケースが多いです。
 そうなると税金を納めるために、相続人が借金をしなければならないケースも出てきます。

 財産の把握をしておくことで、被相続人本人の今後の生活費や施設費などを考慮して、生前に不動産を現金化しておくことも必要になるかどうかの判断も可能となります。
 また、自分自身が経営している会社の株式を有している場合、その会社を誰に承継させるのか、あるいは清算するのか、会社をどうするのかという問題も出てきます。

 いずれにせよ、相続対策のはじめの一歩は、自分自身の財産を把握することです。
 たとえば、エンディングノートを作る、あるいは専門家(弁護士や税理士など)と相談しながら財産目録を作成しておくと言ったことを始めるのが重要になるかと思います。

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